小物語

思ったことを無責任につらつらと。

PROGRAM 15th レポート

どうも、さなぎです。

 

晴れた。

 

ということで

 

UNISON SQUARE GARDEN 結成15周年記念ライブ

 

PROGRAM 15th

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に行ってきた。

 

舞台は大阪の舞洲というUSJのすぐ近くにある海沿いの広い平野。

 

当日は台風がブンブンする予定だったが、天も彼らを祝福するかの如く、開場までには無事に晴れて太陽が見えるほどに回復した。蒸し暑かった…724回ぐらい死にかけた……

 

約2万5千人を動員した2時間半のお祝いパーティ。

 

さて、皆さんお待ちかねの感想を述べていこうかね。

 

🍵

 

まずは

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無限の客。

ニゾンファンってこんなにいるの?おいおい嘘だろ?だったら僕が布教活動なんてする必要ないんじゃないか?大丈夫?会場間違ってない?

物販やイベントコーナー、屋台なども沢山あったよん、賑わってたかは知らんけど。

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そして会場まで誘導されると見えてきた謎の門。

本当は端まで装飾がされているんだけどビックリしすぎて全部入る距離に戻れなかった。こんなに大々的なイベントがかつてあったか?いや、ない。

いつもの彼らは目立ちたくない、媚びないというスタンスでライブをしているが、今回はお祭りということで凝ったことをしてきている。こんな事二度とないかもしれない。

 

門をくぐるとそこに広がるのは無限の平野と大きなステージ。それ以外は何もない空間だった。地面はグショグショだったけど。あと暑かった。本当に。

 

湿気と人口密度であり得ないほど地獄と化した会場で2時間ぐらい焦らされ、意識を失いかけていた時、当然数分の宣伝PVが流れ、おじさん達の登場を更に煽られる。

 

そして、お馴染みの入場曲「絵の具」が鳴る。盛大な拍手と共に登場した三人は曲が鳴っている間、時間いっぱい準備をする。

 

曲が鳴り止み、約2万5千人が息を飲む。斎藤宏介がマイクに手を掛け歌い始めたのは……

お人好しカメレオン」。

 

!!!?!?!!!!?!

 

鳥肌が立った。いや、鳥だったかもしれない。鏡なかったから分からない。

 

そこはカメレオン肌で良くないか、というツッコミはさておき、お人好しカメレオンというのは4thアルバムの中間に入っているしっとりとした曲だ。

僕はこの曲が非常に好きだったんだけれども、当時アルバムツアーですらやらないほどセトリに組み込むのが難しい曲だった。

 

それ故にライブという観点においては予想の遥か彼方へと飛んでいっていたこの曲がまさかの1曲目なんてあり得るのか、いや確かにこの曲は田淵も大事そうにしてたし入れるとしたらこの15周年記念ライブ1曲目なのか?ライブで一度もやったことないんだぞ?っていう思考がコンマ0.1秒でぐるぐる回ったが、慌てて聴き入る。

 

曲が終わり、斎藤が笑いながらいつもの「ようこそ!」と唱えると軽快なドラムが鳴り始め「シャンデリア・ワルツ」「君の瞳に恋してない」と続いていく。ここで切るのか!とユニゾンファンならお馴染みのライブ定番曲だ。間髪入れずに

 

「今日は、長いよ〜!自由に楽しんでってくださいよろしくー!」

 

と、武道館に行った者なら口が緩むこと間違いなし、4年前のあの時と一字一句同じ煽り文句を放つと、そこからテンポ良く曲を重ね、「instant EGOIST」や「Invisible Sensation」が観客を踊らせる。

 

「8月、昼中の流れ星と飛行機雲」は蒸し暑く、少し吹く風が心地良い大阪の外れにある平野にはピッタリだった。時期を合わせてきたなぁ…とセトリおじさんには感心するばかりだ。

 

最新曲「Catch up, latancy」のアウトロからイントロが絶妙に重なるように始まる15周年記念曲「プログラムcontinued (15th style)」。まるで最新曲からこれからも止まらず進んでいくぞというメッセージが込められているようだった。

 

ようやく日が沈みかけ、それと呼応したかのように始まる「黄昏インザスパイ」、暑さが引いて涼しい空気を運ぶような「春が来てぼくら」。

そのしっとりとした気分で「水と雨について」「harmonized finale」と続いていき、そろそろアッパーチューンが来るか…?というタイミングで「cody beats」が久々にその役を全うした。

 

辺りは暗くなり、「cody beats」で上がったテンションと共にここから一気にライブは加速していく。「10% roll, 10% romance」が観客を煽り、その熱気から突如始まるドラムソロ。"月"をイメージした今回のドラムソロは、静けさの中に激しさが溢れるような"月"のパワーを表現していた。

 

そのまま「天国と地獄」「fake town baby」「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」「シュガーソングとビターステップ

 

勘弁してくれ!!とヤバすぎて人生が終わってしまうレベルの波状攻撃を繰り出す。暗闇の中での夜な夜なはズルすぎた…

 

シュガーソングが終わるとMCが入った。斎藤は「僕はUNISON SQUARE GARDENを好きな人のことを出来るだけ大事にしたいと思ってます」と言ってくれた。

 

斎藤宏介は普段のライブ中は冷静というか、本心を隠しているような、そんな余裕そうな顔で淡々と喋るのが印象的だった。彼がそういうスタンスで感情的な姿を見せないからこそ「煽らない」がバンドとして成立しているとも思っていた。

 

だから今回こういった言葉を発したのは驚いたし、知ってはいたけど改めてファンを大切にしたいという想いが確認できた。そして「どうやったら大切にできるかを1つだけ知ってます。それは、これからも自分の為に音楽を続けること」と続けた。

 

自分たちが好き勝手にやって、ファンがそれを傍観するという関係性を守るために鉄仮面を付けていた斎藤はこれからもそれを続けることを教えてくれた。

 

鈴木は「どうも、ツイッターがバズった人です!」と場を和ますと、スタッフやメンバーへの感謝、そして「今日のライブかっこいいわ!ドラムソロとかバケモンでしょ!」と自分たちを讃えた。

 

鈴木には前の2人が攻めるタイプだからこそライブ中は支えなければという想いがある。普段から謙遜したり、「人間として欠けている」と自分を罵る場面もよく見られる。

しかし、その彼が興奮して「UNISON SQUARE GARDENはカッコイイ」と自信を持ってファンに宣言したのは本当に嬉しい。最後に「今日まで好きでいてくれた人、今日初めて来てくれた人の心に火をつけられるようにこれからもドラムを叩いていきたいと思います」と更に自信満々に語ってくれた。

 

田淵は泣いていた。いや、もうアレは泣いていたよ。斎藤にマイクを振られても腕を組んだまま声を発せなかった。

…暫くして

UNISON SQUARE GARDENっちゅーのはすげえバンドだな! 今日はよく来た! またやるぞ!」

と一言だけ話した。

 

彼はこの瞬間のためにどれだけ準備して来たのだろうか。

2年ぐらい前から構想があったらしいが、B面ベストアルバムやトリビュート、その他ライブイベントなど様々な仕掛けを用意して、今回のセットリストを考え、このライブをやるまでどんな想いだったのか。記念曲「プログラムcontinued (15th style)」では「今日ぐらいは祝ってくれないかな」と歌詞を書き、ブログでは「来てくれ」と言っていた。今まで口が裂けてもそんなことを言わなかった彼が、このライブに関しては我々ファンにお願いをしていたのだ。

 

それに2万5千人のファンが大阪の地で応えた。

 

そう、ここは彼らをお祝いする場所。精一杯準備して、自分自身が一番楽しむためのライブだったのだ。そんな最高の空間を、最高の景色を彼は噛み締めていたのだろう。

 

盛大な拍手が鳴り止むと「さわれない歌」が始まった。この曲は「僕が今日も旅に出る理由は 多分君には教えないけれど」という歌詞からも分かる通り、ユニゾンのスタンスを表現している曲で、前のMCから一転、いつもの彼ららしい表情に戻っていた。

 

そこから「桜のあと」「オリオンをなぞる」と彼らの栄光を知らしめるかのような2曲を続けると、いつかに聴いたセッションが始まった。

 

4年前の記念日、遠くからだったけど今でも正確に覚えている。大きな国旗が吊るされたあの会場で3人が向かい合ってゆっくりと音を合わせる姿と重なる。

 

「ラスト!センチメンタルピリオド!!」

 

と、全くあの時と同じ煽りで始まるメジャーデビューシングル。

今回のライブが始まる時の煽り文句をあの時と重ねてきたのはそういう伏線だったのかと察すると共にファンは最後の曲を思い切り楽しんだ。そして、彼らも最高の笑顔で音楽を鳴らしていた。

 

演奏が終わると、そそくさと退散するいつも通りの彼ら。アンコールなしとMCでも言っており、楽しかった時間は呆気なく終わってしまった。

 

が、辺りは暗くなり、ステージから大きな音と共に15回花火が上がった。

 

そしてスクリーンには「Thank You 15th Anniversary! See You Next Live!」と書かれていた。

 

🍵

 

【セットリスト】

1.お人好しカメレオン
2.シャンデリア・ワルツ
3.君の瞳に恋してない
4.流星のスコール
5.instant EGOIST
6.リニアブルーを聴きながら
7.Invisible Sensation
8.8月、昼中の流れ星と飛行機雲
9.オトノバ中間試験
10.カウンターアイデンティティ
11.Catch up, latency
12.プログラムcontinued (15th style)
13.黄昏インザスパ
14.春が来てぼくら
15.水と雨について
16.harmonized finale
17.cody beats
18.10% roll, 10% romance
19.天国と地獄
20.fake town baby
21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
22.シュガーソングとビターステップ
23.さわれない歌
24.桜のあと(all quartets lead to the?)
25.オリオンをなぞる
26.センチメンタルピリオド

 

こうして約2時間半のお祭りは終わった。

 

お祭りは終わったけど、これからも通常営業は続いていく。ファンにとってはそれがご褒美だ。

 

僕は本当にUNISON SQUARE GARDENが好きで良かった。ライブが楽しかったからとかそういうんじゃなくて、こんなにカッコイイバンドに出会って、それをちゃんと評価できた自分が誇らしかったのだ。

 

僕の周りに居たファンもきっと同じ気持ちだったはずだ。ライブ中、前のお兄さんは両手を高く上げたり、前に突き出したりと感情を爆発させていた。横の女の子は踊りまくっていた。後ろのお姉さんたちは2人で顔を抑えながら涙ぐむ場面もあった。

 

みんな自由だった。

 

彼らが言ってきた、"自由に楽しむ"という言葉を信じて、素晴らしい空間を我々も好き勝手に楽しんだのだ。

 

あの場所に居た"約2万5千3人"は自由に好き勝手遊び、ただ2時間半を過ごした他人の集まり。それで良い。

 

これからも。

 

それでは、また。