小物語

思ったことを無責任につらつらと。

シャンデリア・ワルツ

どうも、さなぎです。

 

「シャンデリア・ワルツ」という曲がある。

 

UNISON SQUARE GARDEN 4thアルバム「CIDER ROAD」の最終曲だ。

 

2013年に発売されたアルバムなので、もう6年以上前からこの曲は存在している。

 

何故今この曲の話をするのか、というのは大した理由はなくてただ純粋にこの曲が好きだからだ。最近は色々あってこの曲ばかり聴いている。

 

少しセンチメンタルな気分で書いているのでそこらへんを考慮して読んでほしい。

 

🍵

 

僕がこの曲を最初に聴いたのは、アルバムの発売日だ。当時まだ高校生だった僕はお金がなくて所持金ギリギリで通常盤を購入した。本当は初回盤が良かった。

 

まあそんなことはどうでも良くて、ユニゾンにハマってから初めて出たアルバムだったので期待に胸を膨らませていた。

 

聴き始めて率直な感想を言うと、「そうでもなかった」。

 

理由は簡単で、前の3rdアルバムを無限に聴いていた僕からすると4thアルバムは全体的に激しくなかったからだ。

 

熱くなるものが、少なかった。

 

今思えば、「何を言ってるんだか全く分からない」と叱りたくなるレベルでこのアルバムの良さを分かっていなかったが、当時の率直な感想はそうだったという話だ。

 

ただ、最後の曲「シャンデリア・ワルツ」だけは違った。この曲だけはワクワクが止まらなかった。

 

このアルバムはこの曲を引き立てるためにあるんじゃないかと思うレベルで別格だと感じた。

 

最初に歌詞カードを見ながらアルバムを聴き進めている時、チラッとタイトルを目にしたイメージでは社交ダンス的な何かを彷彿とさせられた。

 

全体的にしっとりした曲調が多いアルバムの最後がシャンデリアとワルツだ。そりゃそう思うのも無理はないだろう。

 

曲が始まると、とんでもない疾走感と緩急の付け合い。

 

音楽が僕を踊らせた。

 

そして、歌詞が心を震わした。

 

ベタな部分を紹介しよう。

 

奏でて、その調子 最高のテーマソング
わからずやには 見えない魔法をかけたよ ねえ、ワルツ・ワルツで

 

田淵智也を知る者で、誰一人としてこの歌詞が響かない事はないだろう。

 

彼は分かっている、自分の音楽やそのスタンスが世間には理解されないことを。

 

ただ、少なからず存在している物好き達に対しての最大限のお遊びを提供してくれたのだ。だってそうだろう。世間の"分からずや"には見えないんだから。「こっちはこっちでコッソリ好き勝手に楽しもうぜ」と言わんばかりだ。

 

物好き達にとってこれほど嬉しいことはない。決してこちらに手を差し伸べない彼が世間に宣戦布告するような形で我々を守ってくれたのだ。

 

最後のサビの手前

行き着いた先に 何も無くても
息をする僕らは構わない 世界が始まる音がする

 

これもそうだ。スタンスを貫いた先に待っていること、賞賛されることは多分ないだろう。まだ捻くれてるのかと言われるだけだ。

 

ただ、これからもきっと彼らはこの曲と共にスタンスを貫くのだろう。媚びない、目立たない、このまま周りには見えない魔法がかかった秘密基地でまた僕たちを楽しませてくれる。それでいいのだ。それだけでいい。

 

リリース以来、彼らにとってもファンにとってもこの曲はかけがえのないものとなっていった。

 

裏話をすると当初この曲の評価は実はスタッフの間ではそこまで良くなかったらしい。

 

ただ、結果的にアルバムの最後を締める曲として使われ、今ではライブの定番中の定番として6年以上歌われている。

 

僕もライブに行けばこの曲は必ずと言っていいほどやっているのでいい加減飽きが回ってくるか心配になるが、まあそんなことはないんだろうな。

 

まあとにかく某動画サイトで公式がなんと武道館版を載せているしスタッフのウケはどこへ行ったんだとツッコミを入れたくなるが、それほどの価値があると思わせるほど印象をひっくり返したんだろう。すごいパワーだ。

 

はい、まあ今回はこんな感じで。どうですか、僕の宝物のひとつ。

 

もし、君がユニゾンを周りに勧める時はシュガーソングとビターステップと言っておけば良い。シャンデリア・ワルツなんて言っても一生聴いてくれないだろうし。それこそ魔法がかかっているのでね。

 

それでは、また。