どうも、さなぎです。
良いライブを見た。
一体何をもって"良い"とするかは人それぞれだけれど、純粋にこの表現が一番適切だと思っている。
この感覚は本当に久々だ。
そう、実に彼らのライブを見たのは2/13以来、5ヶ月ぶり。
5ヶ月ぶりの彼らは相変わらず楽しくやっていて、僕たちを揺さぶって、裏切って、去っていく。
やはりあの「やられた」と思う気持ちは本当に気分が良いんだか悪いんだかよく分からないけども、これこそが完全にヤツの術中にハマっているということなのだろう。
さて、ライブ当日深夜に行った配信(https://twitcasting.tv/sanauti8910/movie/628593088)では何度も言ったが、このライブはまあ本当にヒヤヒヤする瞬間が多かった。
理由は一つ、斎藤宏介の不調である。
勿論、彼も人間(?)なので今までも不調な時や、ミスすることはあった。
しかし、今回のようないわゆる"大舞台"であそこまでの不調はなかなかに珍しいものだ。
もしこれがこれまでの長いブランクによるものだとしたら、とても悲しいし悔しい。
まあ今回はそんな暗い話をするつもりなくて、やっぱり彼は負けず嫌いであり、プロのミュージシャンであり、バケモノだということを再認識しただけである。
どんなに苦しくてもキーを下げない彼のプライドがこんなにも輝かしくて、カッコよく映る場面は後にも先にもそう多くはないだろう。
それを踏まえて今回のライブを見たときに、じゃあ何が"いつもと違った"のかと問われたら絞り出しても見つからないレベルだったのだ。
これは本当にとんでもないことで、彼らが16年やってきた"通常営業"はこんなにも揺るがないものなのか。
同じくヤツがプロデュースしてるオンラインライブを見た感想(ぼくたちへのかくめい! - 小物語)を書いた時に、僕は「オンラインライブとライブは同じではない」という表現をした。
これは決してオンラインライブを下に見ている訳ではなくて、あくまで並列関係として、別物だということが言いたかったのだ。
ただこれに関しては、やや自分でも不満な部分があって、それはオンラインライブが別コンテンツとして確立されるビジョンがまだ見えていなかったから。
どんなに繋ぎが上手くても、演出に工夫を施しても、どうしても"今までとの差"を見つけてしまう。
完全に別物として捉えようとしても逆に"今までのライブ"と似ている部分が存在するせいで過去がチラつくことが要因だろう。
だが、今回の彼らの"オンラインライブ"は本当に"ライブ"だった。
今と過去を照合する暇すら与えない、だって今もライブをやっていたから。
彼らの他人を巻き込まないライブスタイルは自然と我々を音楽の世界に引き込んでいて、その意図的に作られたモノではない世界観が会場を包み込む。
あの感覚を今回も味わっていた。
「次は何が起こるんだ」
そうそう、この感覚だよ。ってよくわからないことを思い出しながら、気が付けば最後のエンドロールを迎えていたのだ。
この状況において、他のアーティストは今までライブで行っていた"音楽以外の時間"の補填としてオンライン特有の演出が必要とされていた。
だから僕は、そのハイブリッドとも言える新しいジャンルを「別コンテンツとして捉えなきゃおかしい」と言っている。
しかし彼らにその考えは必要なかったのだ。そもそも"音楽以外の時間"が存在しなかったのだから。ただ演奏してるだけでそれが彼らのライブそのものになる。
これは本当に凄いことだ。類稀なる個性そのものである。
最早、今の音楽シーンで彼らと同じことが出来るアーティストは存在するのか?
スタイルを突き詰めてきた結果、たまたまこういう世の中になって初めて生まれた偶然の産物だけれども、この世界においては彼らの右に出るものはいないのではないか、とさえ思っている。
それぐらい僕は興奮しているし、きっとそういうファンもいるだろう。
今、彼らには世の中の状況とは裏腹に願ってもない期待がある。
早く世の中も気付いた方が良いよ。
ああそうだ。
言い忘れてたけど、勘違いしてほしくないのが、デカい音を全身で浴びるという点での"ライブ"ではないということ。
これはもうなんていうか当たり前の話で、オンラインでそれをやることは物理的に不可能だしそこに期待するのはそもそもおかしい。
そういう面でのオンラインライブdisに関しては、逆に現地ライブの生音を平たく聴きたいって言っても無理なのと同じである。
そういう人はいつまでもその固まった脳味噌と一緒にそこに居てよ。
音楽シーンは今も頑張って動いてる。
僕たちのすべきことは、それをしっかり見て評価すること。
良いもん見たなって一言だけでもいいじゃん。
僕は大変幸せ者なので良いものを良いと言える感性を持っていた。
とてもありがたい。
これからも良いものを見るぞ〜〜
それでは、また。